診療あれこれ
未病とよくある症状
○未病(半健康体)について
「未病」聞き慣れない言葉ですが、半健康状態のことをいいます。「朝起きたとき、なんとなく元気がない」「仕事に根気がなくて困る」「いらいらする」「手足がだるい」と訴える人が、最近とみに増えてきました。こういう人は、病院であらゆる検査をしても、どこにも異常を発見することができません*。そこで、思い余って当院を訪ねてくるというケースがあります。このような人は、病人とは言い切れなくても、すでに半健康体・半病人の状態にあります。そして、このような状態を「未病」といいます。
症例1: | 病気ではないが、体がだるい、体がぎくしゃくして伸び縮みしにくい、疲れやすい、眠れない等 |
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症例2: | 既に病気になっているが、合併症をおこしていない状態 |
症例3: | 術後等で、体力が弱っている。免疫力が低下している時、放っておくと再発の可能性がある場合 |
*現代医学(西洋医学)では、未病という概念がありません。つまり、病気かそうでないかとの2つに分類されます。しかし、未病をそのままにして良くなることはほとんど無く、たいていが病気の発症に結びつきます。つまり、病魔に侵されやすい状態や潜在的な病因が先にあげたような形で表出化しているものと考えれば理解しやすいでしょう。治療と養生によって、病気の発症を抑えていきたいものです。何かつらいな・おかしいなと感じたら、早めの来院をお薦めします。
○なぜ肩こりが起こるのか?
1.頭を支える筋肉
頭部の重さは約4kg。これを支える筋肉が脆弱であったり疲労するなどして支えきれなくなったときに起りがちです。特に女性に多いのが、細い首やなで肩。未発達の筋肉のため筋力が弱く、つねに負荷がかかりすぎています。筋肉の疲労というと、スポーツなどの運動を連想しますが、長時間のデスクワーク(パソコン業務)等で常に同じ姿勢をとり続けていることで、常に筋肉が緊張し続け、その結果筋肉疲労を起こすことも知っておきましょう。
2.目の疲れ
パソコンや書類で活字を負う仕事が増えていますが、目を動かしている筋肉が長時間緊張していたり、光の点滅によって神経を酷使することで、血液循環が悪くなり、やがて首から肩にかけての筋肉も、緊張と循環不良の為、凝っていくわけです。
*ちなみに「凝る」という言葉の使い方は、もともとの「一つのことに熱中する」という意味を、夏目漱石が小説「門」の中で、肩の筋肉が硬くなる様子を肩が凝ると表現したことから由来しているらしいですよ!
3.ストレス
仕事や家庭、はては学校や塾など、老若男女にかかわらず、常に神経をすり減らす現代社会。常に緊張状態と隣り合わせです。このため、肩・腰に力が入りすぎて抜けないため、「凝り」が発生します。
4.冷え
脚やお腹を露出するファッション、ダイエットや偏った食事(好き嫌い)、外食に頼って必要な栄養源を摂らない、サプリメントに頼りすぎ…。これらは全て冷えの原因となります。冷えは血管を収縮させ、血流を悪くさせ、むくみや肥満の元となり、循環不良のため身体に老廃物がたまり、機能が低下し、病気の源となります。これが足から腰にかけての筋肉をこわばらせ、肩にも影響を与えます。
5.病気によるもの
高血圧の動脈硬化で肩こりを引き起こしたり、胃腸疾患や胆石の放散痛で肩に鈍痛や圧痛を引き起こす事があります。病院で定期検査もしていきましょう。